食コラム
食コラム

今年もおいしい季節になりました。「里芋」いろいろな料理で味わおう!

秋が深まるにつれて、おいしくなってくるのが里芋。加熱することでねっとり、ほくほく。口に運べば土の中でたっぷりと栄養を蓄えた里芋の力強い味わいに心も体もぽかぽかと温まります。
煮物、汁物、揚げ物などなど…。「さあ、今日はどんな料理で楽しみましょうか??」
秋が深まるにつれて、おいしくなってくるのが里芋。加熱することでねっとり、ほくほく。口に運べば土の中でたっぷりと栄養を蓄えた里芋の力強い味わいに心も体もぽかぽかと温まります。
煮物、汁物、揚げ物などなど…。「さあ、今日はどんな料理で楽しみましょうか??」

里芋の楽しみ方

  • 里芋ってこんな野菜

    東南アジアの熱帯地域が原産地で、比較的寒さに強い品種が日本へ伝わり、縄文時代には主食として食べられていたという歴史のある野菜です。
    株の中心には大きな親芋があり、親芋を囲むように子芋、孫芋と育ちます。

    一般的に販売されているものの多くは、子芋の部分で、土垂(どだれ)と呼ばれる品種です。土垂は、葉の先端が伸び、地上に垂れる様から呼ばれるようになったと言われます。主に関東地方でよく食べられている品種で、同じ子芋を食べる品種に やや小ぶりの石川早生(いしかわわせ)があります。

    (写真上 里芋畑、写真下 親芋と子芋)

  • 地域に残る伝統野菜

    昔からその地域に伝わる里芋があります。生産者さんが種芋を保存し、次の世代へと大切に継承しています。今日に至るまで、栽培が継続できずに途絶えてしまったり、天候不良で収穫がなかったりとたくさんのご苦労があったといいます。ここでは、そのような中でも僅かに残る農家さんや地域で栽培されている里芋のいくつかをご紹介。
    生産量も多くないため、なかなか入手困難ですが、丁寧に栽培された里芋のおいしさにきっと虜になってしまうことでしょう。

    【山形県山形市悪戸地区 悪戸芋(あくといも)】
    山形市の悪戸地区で栽培。以前は一般向けには販売しておらず、門外不出と言われる種芋を守り、保存していた農家の数もわずか5軒のみでした。今ではその伝統野菜を絶やすわけにはいかないと、種芋を分けてもらい生産する農家さんも増えているそうです。きめの細かい、とろりととろける絹のような食感が特徴です。

    【山形県真室川町 甚五右ヱ門芋(じんごえもんいも)】
    山形と秋田県の県境に近くにある町、真室川の佐藤家に伝わる、一子相伝の門外不出の貴重な里芋。栽培の歴史は古く、室町時代から作られているそう。細身で皮が薄く、小ぶりながらもねっとりとした食感が楽しめます。

    【山梨県甲斐市西八幡地区 やはたいも】
    釜無川の氾濫源であったこの地域は、砂利と栄養の多い土壌となり、おいしい里芋が収穫できるように。生産が盛んな八幡地区の名前を取って「やはたいも」という名が付けられたそうです。一般的な里芋に比べ、粘りが強く、柔らかで口どけが滑らか。

    【福井県大野市 大野いも】
    福井県大野地方に伝わる里芋。山に囲まれた扇状地と、夏は昼と夜の温度差が大きい大野地方で育った大野いもは、室町時代には、伊勢神宮にも奉納していたという記録が残っているそうです。球形で実がしまり、粘り強く、滑らかなのが特徴です。

    (写真上 悪戸いも、写真下 大野いも)

  • 芋煮の主役 

    芋煮は全国各地で楽しまれていますが、やはり山形を中心とする東北地方で食されることが多いようです。仲間と河原に集まり、里芋をメインとして具材をぐつぐつと煮込む光景は、秋の風物詩にもなっています。芋煮のシーズンになると、必要な食材をお店が用意してくれるサービスを行うところもあるんです。「思い立ったら、手ぶらで芋煮」という気軽さがいいですね。
    そんな全国の芋煮の中でも山形、愛媛、島根は「日本三大芋煮」と呼ばれています。

    【山形の芋煮】
    牛肉を使って作るものが主流ですが、鱈を干した「棒だら」を使って薄味に仕上げた「芋棒煮」が元祖だったそうです。
    山形では芋煮シーズンになると、新聞に、天気予報ならぬ「芋煮予報」なるものの掲載があるんですよ。気温と風の様子から、各地の芋煮に適した日を予報。芋煮日和の日には、鍋のイラストがにっこりマークに。芋煮を愛する山形県ならではの情報ですよね。

    【愛媛県大洲市のいもたき】
    愛媛県では「いもたき」と呼ばれ、300年の歴史があります。秋になると河原に集まって「いもたき会」をするのだそうです。
    里芋や鶏肉を中心に、油揚げ、干ししいたけ、こんにゃくなどの具材に、里芋の茎(はすいも)も入って具だくさんで鶏のだしが効いた、醤油味の芋煮を楽しみます。

    【島根県津和野町の芋煮】
    昆布と炙った小鯛からとった出汁に、里芋と鯛のほぐし身を入れたすまし汁のようなシンプルな芋煮です。いただくときにゆずの皮を添えるのも特徴です。

  • 栄養

    里芋はいも類の中でも水分が多く、低カロリー。さらに、胃腸の働きを助ける作用や、肌を健やかに保つ働きもあるとされています。

  • 選び方

    こんな里芋を選びましょう。

    ・縞模様が均等ではっきりと見えるもの
    ・なるべく泥や土のついている(湿っている)もの
    ・頭の芽が色づいてなく、中心が真ん中にあるもの
    (赤っぽくなっていると、えぐみが強いことがある)

  • 保存の仕方

    里芋は寒さと乾燥が苦手です。

    【常温保存の場合】
    新聞紙に包んで、乾燥させないように保存しましょう。2週間をめどに食べきりましょう。

    【冷凍保存の場合】
    柔らかくなるまで茹でてから、食べやすいサイズに切りわけます。粗熱を取ってから保存袋に入れて冷凍しましょう。1か月をめどに使い切りましょう。

  • 下ごしらえのポイント

    里芋は乾いた状態で扱うと、ぬめりが出にくく、かゆくなりにくい。

    【洗い方】
    土がついている時には、たわしで洗い、ザルに上げて乾かします。皮を剥くときに皮や包丁が濡れていると、滑るので水気はしっかりと取っておきます。

    【煮物や汁物を作る際には、ぬめりを取る】
    ぬめりを予め取っておくと、茹でた時に吹きこぼれを防ぎ、味の染み込みがよくなります。
    皮を剥いた里芋に塩を入れ、こすりつけるように転がしてぬめりを取り、水洗いをしたら里芋がかぶるくらいの水で茹で、ひと煮立ちさせます。

    【手がかゆくなってしまった場合・・・】
    塩や酢を手につけて扱うことでかゆみが和らぎます。

里芋のおすすめレシピ

  • string(6) "なし"

    【レシピ① 里芋のグラタン】
    和の里芋は、トマトソースやチーズの洋風食材にもよく合います。ナスを加えることでナスに、お肉やトマトのうま味が染み込んでおいしく仕上がりますよ。

    ■材料 グラタン皿1個分
    里芋 3個分
    豚ひき肉 120g
    玉ねぎ 2分の1個分
    ナス 中くらいのサイズ 2分の1本
    ピザ用チーズ 適量
    市販のトマトソース 大さじ3
    塩、こしょう 少々
    酒 少々
    サラダ油 適量
    砂糖(トマトソースの酸味が強い場合に加えてください。) 適量

    ■作り方
    ①里芋は、洗って皮ごと柔らかくなるまで茹で、しっかり水気を取り、粗熱を取ってから皮を剥き、輪切りにする。(もしくは、皮を剥いて輪切りにし、電子レンジで柔らかくする。)玉ねぎはみじん切り、ナスはいちょう切りにする。
    ➁油を敷いたフライパンに、玉ねぎ、ナスを入れしんなりするまで炒める。しんなりしたら、ひき肉と酒を加えてさらに炒める。
    ③ひき肉に火が通ったら、市販のトマトソースを加え、塩、こしょうで味を調える。
    (酸味が強い場合には、ここで砂糖を加えてください。)
    ④グラタン皿に輪切りにした里芋を並べ、その上に③を敷き、ピザ用チーズをかけてオーブントースターでチーズがとろりとするまで焼く。

  • string(6) "なし"

    【レシピ➁ 里芋ときゅうりのわさびマヨサラダ】
    里芋で作る和風ポテトサラダは、ねっとり&もっちり♪

    ■材料
    里芋 3個
    きゅうり 2分の1本
    わさび 小さじ1~2(お好みで辛さを調整してください。)
    マヨネーズ 大さじ1

    ■作り方
    ①茹でたり、電子レンジで柔らかくした里芋は、粗熱を取ってからボールに入れて潰す。きゅうりは輪切りにし、ひとつまみの塩をしてしんなりさせ、水分を取っておく。
    ➁ボールにわさびとマヨネーズを入れて混ぜ、①を合わせてしっかりと混ぜ合わせる。

  • string(6) "なし"

    【レシピ③ 里芋だんごのあんかけ】
    里芋と、はんぺんを混ぜた生地は、揚げるとふわふわもちっとした食感に。たっぷりとあんをかけてお召し上がりください。

    ■材料 5~6個分
    里芋 3個
    はんぺん(大判のもの) 2分の1枚
    片栗粉 大さじ2
    塩 少々
    青ねぎ 5本

    ☆だし汁 250cc
    ☆みりん 小さじ2分の1
    ☆薄口醤油 小さじ2分の1
    ☆塩 少々
    片栗粉、水 各大さじ2分の1の量で溶く
    サラダ油 適量

    ■作り方
    ①茹でたり、電子レンジで柔らかくした里芋は、粗熱を取ってからボールに入れて潰す。
    ➁①に、はんぺん、片栗粉、塩を加えしっかりと混ぜ合わせる。
    ③170度に熱した油に、➁の生地をスプーンですくって入れ、焼き色がつくまで揚げる。
    ④鍋に、☆のついた調味料を入れ沸騰したら、仕上げに水溶き片栗粉を流し込みとろみをつける。
    ⑤揚がった里芋だんごを盛り付け、その上に④のあんをかけ、小口切りにした青ねぎを散らす。

  • string(6) "なし"

    【レシピ④ 我が家の芋煮】
    芋煮は、その家庭ごとにレシピがあるそうです。ここでは、牛肉を使って醤油味に仕上げる、山形芋煮を我が家流レシピでご紹介します。

    ■材料
    里芋 300g
    牛肉切り落とし 200g
    しらたき 150g
    ねぎ 1本
    白菜 2~3枚

    だし汁 3カップ
    みりん 大さじ1
    薄口醤油 大さじ2
    醤油 大さじ2分の1
    酒 大さじ1

    ■作り方
    ①里芋は皮を剥き、大きいものは食べやすい大きさに切り、下ごしらえのポイントにある、ぬめり取りをしておく。
    ➁ねぎは斜めに切り、白菜は芯と葉に切り分けて2センチ幅に切る。しらたきは水から茹でて煮たったらザルに上げて食べやすい長さに切っておく。
    ③鍋を火にかけ、弱火で牛肉を炒める。牛肉に火が通ったら取りだす。
    ④③の鍋に、里芋、白菜、しらたきを入れ、酒を加えて軽く炒める。
    ⑤④にだし汁を入れ、煮たったらアクを取り、みりんを加えて弱火にする。
    ⑥里芋が柔らかくなったら、牛肉、ねぎを入れて、薄口醤油、醤油を加えひと煮立ちさせる。

written by 青柳 由美子

野菜ソムリエプロ/冷凍生活アドバイザー/食品衛生責任者

公式SNSにて最新情報をチェックできます!

facebook Twitter instagram