食コラム
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古くから親しまれてきた果物「柿」 旬のおいしさを堪能しよう!

俳句の季語としても多く登場する「柿」。「柿食えば 鐘が 鳴るなり 法隆寺」と詠んだ、正岡子規も柿が好物だったといいます。好物の柿を食べながら、聞こえてきた鐘の音にしみじみと秋を感じたそうです。
昔は農家の庭先に必ずと言っていいほどあった柿の木。枝もたわわに実が色づく様子も、日本の秋を感じる風景ですね。穏やかな秋の風景を思い浮かべながら大粒で味が良い、日本の「柿」を楽しみましょう。
俳句の季語としても多く登場する「柿」。「柿食えば 鐘が 鳴るなり 法隆寺」と詠んだ、正岡子規も柿が好物だったといいます。好物の柿を食べながら、聞こえてきた鐘の音にしみじみと秋を感じたそうです。
昔は農家の庭先に必ずと言っていいほどあった柿の木。枝もたわわに実が色づく様子も、日本の秋を感じる風景ですね。穏やかな秋の風景を思い浮かべながら大粒で味が良い、日本の「柿」を楽しみましょう。
  • 柿ってこんな果物

    柿の原産地は、中国の揚子江流域だと伝えられ、奈良時代から日本中で栽培されていったといわれています。それよりも古い弥生時代の遺跡からも、柿の種が出土されたそうですが、その当時の柿は、今のように大粒のものではなく、もっと小型の実だったそうです。
    その後、日本国内だけでなく、16世紀にはポルトガル人によってヨーロッパへ。また19世紀になるとアメリカへも渡り、世界へも広まっていき、今や「kaki」は万国共通語になっています。正式な学名は「ディオスピロス・カキ」。「ディオスピロス」は、ギリシャ語で「神から与えられた穀物」という意味があるそうです。

    因みに、一般的に「柿」は、英語で「パーシモン」と呼ばれることが多いですが、パーシモンはアメリカの小さな柿のことを指していて、日本で栽培されている柿とは品種が違うそうですよ。

  • 品種は1000種以上!

    昔、日本中を旅していた僧侶が携行していた食べ物が「干し柿」でした。干し柿を携行した理由は、生の柿より軽くて保存が効き、甘さも栄養も凝縮されていて消化のよい食品であったからだそうです。

    そんな栄養価の高い干し柿は、僧侶のお腹を満たすだけでなく、旅の道中で出会った病人も救ったのだとか。ここから、干し柿のおいしさと、元気になるパワーに魅了された人たちが、種を自宅に持って帰って育てたり、僧侶が道端に落とした種が自然に芽を出したりなどして全国に広まっていったという話もあります。病害虫が少なく、日本の気候にも合った柿は、栽培しやすいことも重なり、各地で育てられたと言います。

    今では、日本各地に弥治郎などの人の名前や十善寺などお寺の名前がついた柿など数えられないくらいの種類があり、その数は1000以上あるといいます。その中でも渋の変化の仕方で大きく3つのタイプに分けることができます。

    ①完全甘柿 富有(ふゆう)
    種のあるなしに関係なく、熟すと渋が抜けるのが完全甘柿。その代表品種に富有柿があります。岐阜県生まれで、日本で最も多く生産されている柿です。ふっくらと丸みがあり、果皮はオレンジ色。果肉は柔らかく、果汁が多くて甘みも強いのが特徴です。果肉にある斑点は、甘さのしるしでもあります

    ②不完全甘柿 西村早生(にしむらわせ)
    滋賀県大津市の西村氏の柿園で発見された柿。受粉で種ができることで渋が抜けるという不完全甘柿の代表品種です。富有柿に比べると甘みは控えめで果肉もかためなのが特徴。果肉に黒い斑点が入ると甘みが増した証拠。この柿は8月の下旬くらいから出回ります。

    ③渋柿 平核無(ひらたねなし)
    渋柿の代表品種で、熟すに従って甘くなります。地域によっては「庄内柿」、「おけさ柿」とも呼ばれています。種がないので食べやすく、四角い箱型をしているのが特徴の柿です。果汁がたっぷりで、果肉も柔らかです。渋抜きをしてからは、7~10日くらいで食べきるのがおすすめです。

    (写真:上から富有柿、西村早生、平核無)

  • 干し柿にしておいしく

    渋柿は、皮を剥いたら軒先などの日陰で風通しのよい場所に干します。二十日程度でおいしい干し柿に。干し柿は、乾燥の程度で名前が違います。

    【あんぽ柿】
    水分が生の実の50%程度に乾燥させたもの。柔らかで、甘さも強くとろりとした食感が特徴の干し柿です。「あま干し柿」が訛って、「あんぽ柿」になったと言われています。水分が多めなので、5~10日程度で食べきるのがおすすめです。福島県のあんぽ柿が有名です。

    【枯露柿】
    水分を生の実の20%くらいまで干し、枯れて露がついたように白い粉が吹き、ころころ転がる干し柿。甘味も強く、水分が少ないので、1~2カ月保存が可能な干し柿です。長野県の市田柿、岐阜県の堂上蜂屋柿などが有名です。

  • 栄養

    柿には、体の調子を整えたり、消化を促進する働きがあります。柿1個分には、一日に必要なビタミンCが含まれていると言われています。
    渋みの素になるタンニンは、アルコール分解作用があり、二日酔いによいとされています。
    さらに、柿の葉にはみかんよりも多いビタミンCが含まれており、主に柿の葉茶として利用されています。

  • こんな柿を選びましょう

    ・ヘタ4枚がすべて揃い、果実に隙間なく張り付いているもの。
    ・果皮全体がオレンジ色でハリがあるもの。
    ・赤みがかったものは果肉が柔らかい。
    ・かたい食感が好みであれば、色が濃すぎないものを選ぶ。
    ・ヘタの色は緑色が残っているもの。
    ・形が整っているもの。
    ・手に持ってずっしりと重みを感じるもの。
    ・柔らかすぎないもの。

  • 保存の仕方

    【常温保存の場合】
    まだ熟していない柿は常温保存でも。
    乾燥をしないように新聞紙などで一つ一つ、包んで保存しましょう。

    【冷蔵保存の場合】
    柿を長持ちさせたい時、しゃきしゃきの食感を保ちたい時に冷蔵保存がおすすめです。
    ヘタに、濡らしたキッチンペーパーをあて、ヘタを下にして一つ一つビニール袋に入れて保存しましょう。キッチンペーパーは定期的に濡らしたものを交換するようにしましょう。
    (柿をビニール袋に入れるのは、柿から出るエチレンガスで他の野菜や果物が熟すのを抑えるためです。)

柿のおすすめレシピ

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    皮を剥いてそのまま食べる以外にも、日々の食卓で楽しむ柿レシピをご紹介します!

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    【レシピ① 柿とりんごの元気ジュース】
    「柿やりんごが赤くなると、医者は青くなる」と言われるくらい、どちらも栄養が豊富な果物。
    そんな栄養豊富な果物二つを使って、元気ジュースに。毎朝、ぐびっと飲む習慣にすれば、寒い冬も元気いっぱい乗り切れそうですね。

    ■材料 2杯分
    柿 2個
    りんご(皮つきのまま) 1個
    レモン汁 少々

    ■作り方
    ①柿は皮を剥き、ヘタ、種を取って1/4の大きさに切る。
    ②りんごは、皮つきのまま1/6に切る。
    ③①、②をジューサーにかけ、レモン汁を加えてかき混ぜる。
    レモン汁を入れることで、すっきりとした味わいになります。

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    【レシピ② 柿のカラフルサラダ】
    いつものサラダに、柿を加えてみませんか?柿の甘さがサラダにとてもよく合いますよ。ドレッシングには、みそドレッシングをかけていただのはいかがでしょう??もちろん、お好みのドレッシングでも。ここでは、今がおいしい野菜を使ってサラダにしてみました。

    ■材料
    柿 1/2個
    かぶ 1/2個
    ミニトマト 6粒
    大根 5cmくらい
    サラダほうれん草 1/2わ
    ブロッコリースプラウト 1/2わ
    ツナ 1/2缶
    フライドガーリック(ローストしたアーモンドでも) 適量

    ・みそドレッシング
    ☆みそ 小さじ1/2
    ☆おろしニンニク 小さじ1/2
    ☆太白ごま油 大さじ1
    ☆酢 大さじ1と1/2
    ☆こしょう 少々
    ☆砂糖 小さじ1/2

    ■作り方
    ①柿、かぶ、大根は食べやすい大きさに切り、ミニトマトは1/4に切る。サラダほうれん草も、よく洗ってから食べやすい大きさに切る。ツナは、水気をしっかりと切っておく。
    ②ボールに、みそドレッシングの調味料(☆がついているもの)を入れて、よく混ぜる。
    ③皿に、①を盛り付け、上からブロッコリースプラウト、フライドガーリックをのせて②のドレッシングをかける。

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    【レシピ③ 柿農家さんも大好き!柿カレー】
    柿農家さんもすすめる、柿カレー。ことこと煮込むことで柿の甘みが引きだされ、甘味の中にスパイシーさが広がるカレーです。

    ■材料 2皿分
    豚肉 100g
    玉ねぎ 150g
    じゃがいも 100g
    柿 100g
    人参(すりおろしたもの) 1/2本分
    お好みのカレールウ 2皿分
    トマト 中玉1/2個分
    サラダ油 適量
    こしょう 少々
    酒 大さじ2
    おろししょうが 少々
    ソース 少々

    ■作り方
    ①豚肉、玉ねぎ、じゃがいもは一口大に切り、柿とトマトは細かく刻んでおく。
    ②鍋にサラダ油を入れ、玉ねぎ、じゃがいも、すりおろした人参を入れて炒める。
    ③②の野菜がしんなりしたら、豚肉を加えて酒、こしょうをしてさらに炒める。
    ④豚肉の色が変わったら、水1と1/2カップを加え、沸騰したらアクをとり、刻んでおいた、柿、トマト、おろししょうがを加えて野菜が柔らかくなるまで煮込む。
    ⑤ルウを割り入れ溶かし、ソースを入れてさらに弱火で10分煮込む。

written by 青柳 由美子

野菜ソムリエプロ/冷凍生活アドバイザー/食品衛生責任者

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